今回は、情報システム部門の業務において避けては通れない「データベース」について解説します。
情シスに入って、「DB(デービー)」や「SQL(エスキューエル)」という言葉が飛び交っていて戸惑っている方も多いのではないでしょうか。社内の業務システムの裏側では、必ずと言っていいほどこのデータベースが動いています。
今回は、その基本から代表的な製品まで、分かりやすく紐解いていきます。
データベース(DB)とは?リレーショナルデータベース(RDB)とは?
データベース(DB)とは、一言でいえば「特定の条件に合わせて、検索や蓄積、更新がしやすいように整理されたデータの集まり」のことです。紙の書類を規則正しくファイリングしたキャビネットのデジタル版をイメージしてください。
そして、現在ビジネスの世界で主流となっているのがリレーショナルデータベース(RDB:関係データベース)です。 RDBは、データをExcelのような「行と列」を持つ「表(テーブル)」の形式で管理します。最大の特徴は、複数の表同士を「関係(リレーション)」づけて管理できる点です。
例えば、「社員マスタ」という表と、「部署マスタ」という表を社員番号や部署コードで紐付けることで、複雑なデータを効率よく、矛盾なく管理することができます。
なぜRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)を使うのか?
RDBを構築・管理・運用するための専用ソフトウェアをRDBMS(Relational Database Management System)と呼びます。
ここでよくある疑問が、「表形式のデータなら、Excelを共有フォルダに置いておけばいいのでは?」というものです。個人のタスク管理や少人数の業務ならExcelでも問題ありませんが、全社で使うシステムとなると以下の点で限界を迎えます。
- 同時アクセスの限界: 複数人が同時に編集しようとすると、競合してファイルが壊れたり、保存できなかったりします。RDBMSは、数百〜数千人が同時にアクセスしても安全に処理できます。
- データ量の壁: 何百万、何千万件というデータになるとExcelは動作が極端に重くなりますが、RDBMSは大規模なデータでも高速に検索・処理が可能です。
- データの正確性と一貫性: 必須項目が未入力だったり、文字が入るべき場所に数字が入ったりするのをシステム側で強力に防ぎ、正しいデータだけを保存する仕組み(制約やトランザクション制御)が備わっています。
企業の重要なデータを安全かつ効率的に守り、活用するために、RDBMSは必要不可欠な存在なのです。
RDBMSにはどのようなものがあるのか?(代表的な製品)
RDBMSには様々な種類がありますが、情シスの現場でよく目にする代表的なものをいくつか紹介します。
- Oracle Database(オラクルデータベース) データベース界の巨人です。非常に高性能で信頼性が高く、大規模な基幹システム(ERPなど)でよく採用されます。有償で、導入コストは高めです。
- PostgreSQL(ポスグレ) 無料で使えるオープンソースソフトウェア(OSS)でありながら、商用の有償製品に匹敵する豊富な機能を持っています。柔軟性が高く、近年社内システムからWebサービスまで幅広く採用されています。
- MySQL(マイエスキューエル) こちらも代表的な無料のオープンソース製品です。特にWebアプリケーションとの相性が良く、動作が軽快で世界中で非常に多く使われています。
- SQL Server(エスキューエルサーバー) Microsoft社が提供している製品です。Windows OSやC#などのMicrosoft系技術との親和性が非常に高いため、社内のWindows環境向けシステムでよく選ばれます。
初心者はまず「無料で使えるもの」を触ってみよう
知識として知るだけでなく、実際に触ってみるのが一番の近道です。 個人のPCで学習するだけであれば、PostgreSQLやMySQLといったオープンソースのRDBMSを無料でインストールして試すことができます。環境構築の手間を省きたい場合は、ブラウザ上で動かせる学習サービスを活用するのもおすすめです。
そして、データベースをインストールしたら、次に必要になるのがSQL(Structured Query Language)です。 SQLとは、データベースに対して「このデータを見せて」「新しいデータを追加して」「このデータを更新して」といった命令を出すためのデータベース専用の言語です。
システム開発をしないインフラ担当やヘルプデスク担当であっても、システムのトラブルシューティングやデータ抽出の依頼などでSQLを読む・書く機会は多々あります。情シスとして身につけておいて絶対に損はないスキルです。
次回予告:SQLの基本を解説します!
今回はデータベースとRDBMSの役割について解説しました。Excelとの違いや、なぜシステムにRDBMSが使われているのか、イメージが湧いたでしょうか。
次回は、実際にデータベースを操作するための言語「SQL」の基本について解説します。 「データの検索(SELECT)」「追加(INSERT)」「更新(UPDATE)」「削除(DELETE)」といった、実務で最もよく使う基本的な構文を分かりやすく紹介する予定ですので、お楽しみに!

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